The Anthology 1977-79 The Singles Collection Plus... Buy American Now Laughing In The Dark
素性全くもって分からないのですが・・ジェッツのアンソロジー。多くの人がパンクからパワーポップへと流れてくるのとは違い、ポップsideからパワーポップへ流れ着いた身としては彼等のこの音の按配がとにかく絶妙でスッと入ってくる。それも全12曲(内ライブ音源4曲)どの曲も最高レベルで迫ってきます。この感じは古くはバズコックスを初めて聴いた時だったり、ここ数年で言えばセヴンティーンの編集盤を聞いた時も感じたなあ。#1「Catch Me」は唯一のシングル曲らしいのですが、コレがもうMC5「The American Ruse」系のパーフェクトなロックンロール。「Don't Let Go」なんかと肩を並べるアンセム#!最高です♪#2「If That's What You Really Want」は疾走感があってハードロックぎみではあるけどしっかりとパワーポップにおさまっている。スウェットに近い感じ。#3「You Stepped Outa Line」も同様。ギターソロまで入っちゃってご愛嬌ですがメロディはハンパなく良い。#4「Time Of Your Life (Live)」。この音源でしっかりと演れるバンドだったことが証明できる。ちょっとキーボード?の音も聞えるポップな曲。この時期では結構異色のバンドだったのかもしれない。ポップさでは次の#5「Do You Think That's Funny?」も負けてないゼ!コレを聞くとパンクとポール・コリンズを結びつけるバンドとしてジェッツがあっとしか思えない。#6「Whatcha Gonna Do?(Live)」もキーボードが肝なパワーポップ#。ライブだと激しさが増すのが一般的なのに彼等アルバム以上にポップじゃないの?コーラスも効いて◎。#7「Don't Answer」は完璧なるパワーポップ・マナーに沿った曲。コーラス/ハーモニーも1番効いててメロディ的にはラズベリーズに通じる部分が出ていて個人的にはグっとくる。#8「We're All Models (Live)」。ロックンロールな曲をライブでココまで出来ればオーディエンスを乗らせる事なんて朝飯前でしょ。ナゼ成功しなかったのか不思議に思うライブ音源。#9「I'll Get A Hold On You」。キンキーリフをベースにしたロックンロール#。このアルバム内ではイマイチ度が漂うけど冷静に聴けば十分な出来。#10「Ricky The Prefect」はちょっと趣が違う50sにフィードバックした#。ライブのアクセントに演られたらタマリマセン。#11「Getting Over You」はセヴンティーンのようなナキのメロディを持ったパワポ#。間奏部のキーボードがらしいですね。ラストはライブ音源#12「Find It (Live)」。オーディエンスとの掛け合い(あいにくココでは起きてないが・・)が楽しめそうなゴキゲンな曲だ。全12曲聴き終わって結局このバンドを魅力付けたのは曲の出来もさることながら4曲のライブ音源の素晴らしさ。観に行きたいと思わせるに十分なクウィリティに完敗です。 ケニーのシングル集。BCRの最初期を担当していたマーティーン/コールターが手掛けたアイドルバンド。デビュー曲#1「The Bump」。もともとBCR「All Of Me Loves All Of You」のB面曲でしたがケニーのVer.はより高域で歌われる事でグラムロック度を高めてます。#2「Forget The Janes The Jeans & The Might Have Beens」はエルトン・ジョンにも通じる美しいミドル・バラード。2ndシングル#3「Fancy Pants」はグラムロックコンピにも収録される彼等の代表曲。ハネるピアノとブギーなギターリフ満載の極上グラムロック・チューンだ!スウィート好きにはタマラナイでしょ。#4「I'm A Winner」はウォンブルズのようなバブルガム・ポップ。この辺はコールターの得意どころでしょう。#5「Baby, I Love You OK !」はロック度上げた#でスージークアトロ彷彿でチニチャップな仕上がり。軽快なリズムで進む#6「Sound Of Super K」。サビで一気に高域ヴォーカル/ハーモニーでキャッチーに。#7「Julie Anne」はグラム・リフとコールター節とも言える甘いメロ(「Summerlove Sensation」のような)が合わさった#でとても好きな曲。#8「Dancin' Feet」はメンバーのドリスコルとスタイルの共作。若干ロック度高めですが結局プロデュースされちゃえば違和感なく収まってますね。#9「Nice To Have You Home」はマイベストな1曲。スペクターサウンドな壮大さとどこまでもポップなメロディ。「Beautiful Sunday」並みの愛唱歌になってもいいですね。#10「Happiness Melissa」はグラムロックな彼等をしたらちょっと異色な曲と思ったらドリスコル/スタイル作。シンプルにまとめられた小品ポップ。これぞB面曲ともいえますけど・・野原でアコギ1本で聞きたいですね。#11「Forever & Ever」は鐘の音が12月を思わせる曲。ロイ・ウッドが作りそうな感じ。ドリスコル/スタイル作のロックンロール#が2曲続く#12「Hey Mr. Dream Seller」、#13「Glad Glad Glad」。おそらくアルバム収録曲なのでシングル曲のようなキャッチーさはないですがメンバーの嗜好はむしろコッチなんでしょう。「Glad Glad Glad」はシルヴァーヘッドを思わせたりもする。#14「Hot Lips」。これも最初グラムロックコンピで知った曲。スウィート「Action」をチープに50sリバイバル・ロック化した感じ。ショワディワディぽくてノレます。ヤン・スタイル作の#15「Bangin' My Head Against A Brick Wall」はバッハなイントロから始まるブギー#。やっぱサビの高域vo.があるのでグラムロックとして成立します。名曲#16「Red Headed Lady」はマコウレイ作。おそらく1番好きな曲。T-REXとエジソンライトハウスを合わせたようなメロディが最高です!ドリスコル/スタイル作#17「Alone Together」は美しい高音vo.のソフトロックの佳曲。#18「(Your Love Has Lifted Me) Higher & Higher」はジャッキーウィルソンの名ソウル#のカヴァー。リタ・クーリッジで有名な曲ですが、ドッジーもカヴァーして大好きな曲です。以上18曲。BCRの対抗馬でしたが実際の曲調の幅はまた少し違ったものです。 キレのあるパワーポップバンド、DBクーパー1st(1980年)。#1「Had Enoigh」がとにかく最高です!これはパワポファン必聴だ。ジャグズ「Back Of My Hand」(さて、どちらが影響されたのか?)と同系ですのでビビっとくる人いるでしょ?#2「No Way Out」もギターフレーズが印象的なミドルロック#。やはりコステロちっくで良いです。#3「Carolone」がまたまた最高のパワポ・チューン!「Had Enoigh」ほどのスピード感はありませんがAメロからサビまで完璧な流れ。パワポのお手本のような曲です。#4「Stand And Show It」は気だるいギターロック#。アルバムやライブでのメリハリとしてはOkでしょ。#5「Right Here, Right Now」はキャッチーな陽性ロックンロール。早口でサーフ・ロック調のギターソロもあってノれます!#6「Ram On」でパワポ#が再度登場。ホット・ロッズ的なリフからはもっと豪快にいけそうな感じもありますがサビのキャッチーさで一気に流されます♪#7「Heart Freeze」はちょっとボウイぼいフレーズも覗く#。ギターソロも長め。声がやっぱコステロなのでカッコ良さに拍車がかかる。#8「Chasin' Rainbows In The Night」は前曲の影響か歌い方からvo.処理までボウイの影響をさらに感じてしまうな。パワポとは違うけど意外に好きな曲でリピートしてしまいます。#9「Workin' For The Man」はロイ・オービソンの#をロックにカヴァーしたもの。完全にDBクーパー#に変貌を遂げてますね。#10「Forever Rock 'N' Roll」はラストを飾るに相応しいロッカ・バラード。何ともいえない不器用さが感じられて良い。この曲には今やビーチボーイズでのギターメンバーで有名ですが当時はパワポバンド、プランクスのメンバーであったジェフリー・フォスケットが参加してます。パワポ#は実際は半分くらいで特に後半はスピーディーさに欠けるかもしれませんが曲の良さは問題ないのでオススメです。「Had Enoigh」と「Carolone」の2曲だけでも十分価値ありますよ。2ndはシンセが強くなります。 フレイミン・グルーヴィーズ5th(1978年)。クリス・ウィルソンが加入したサイアー3部作の2枚目です。前作『Shake Some Action』に引き続きプロデュースはデイヴ・エドモンズ!14曲中8曲がカヴァーといういつものごとくファン度の高い愛すべき作品になってます。#1「Feel A Whole Lot Better」は初期バーズ、ジーン・クラーク作の大名曲の完コピ。個人的にはオールタイムのフィヴァリットなので興奮もひとしおです。前作ラストの名曲「I Can't Hide」の流れで聴いても違和感が無いのが素晴らしい(笑)。#2「Between The Lines」はオリジナル曲ですがこれもめっちゃイイっ!バーズとビートルズが融合したようなエヴァーグリーンな響きが最高です。#3「Up's And Down's」はポール・リヴィア&ザ・レイダースのカヴァー。レイダースも大好きなバンドです。この曲はグルーヴィーズのカヴァーのほうを先に聴きましたが原曲よりもパンク/パワーポップに演っててカッコイイ。続けてクリフ・リチャード#4「Move It」のカヴァー。この辺のアラウンド50sのロックンロールは初期のロイ・ロニーの頃から演ってるのでお馴染みでしょう。#5「Take Me Back」が2曲目のオリジナル。ホントにオリジナルの出来がカヴァーと遜色ないのが良い。違和感が無いといったほうが正しいか?これもバーズ直系の哀愁ミドル・チューン。#6「Reminiscing」はバディー・ホリーの#をガレージ・ポップに昇華させてカヴァー。ロイ・ロニー期の『Teenage Head』でも「That'll Be The Day」をカヴァーしてますがそっちは酔いどれてはいたものの原曲にそったカヴァーだったので面白い。3曲目のオリジナル#7「Good Laugh Mun」。デイヴ・エドモンズもクレジットに加わっているものの内容は愛すべきワンパターン。でもグッと来るなあ。次もオリジナル#8「Yeah My Baby」。これもデイヴ・エドモンズ参加でロック番長が好みそうなロックンロール#。シリル主導かな?引き続きロックンロールタイム!#9「House Of Blue Lights」はブギーなピアノを身上としたチャック・ミラーの#をギターに置き換えてカヴァー。ここからストーンズのカヴァーが2曲続く。まず初期の隠れ名曲#10「Blue Turns To Grey」。ちなみにヒットさせたのはクリフ・リチャードのカヴァーによるものなので、グルーヴィーズの選曲センスに唸る。続いて#11「Paint It Black」。完コピながらギターはやはりバーズの影響が出てしますので原曲よりは重々しさは薄れてますね。オリジナル#12「All I Wanted」。踊れるNRBQのようなロックンロール#。オリジナル#13「Don't Put Me On」はストーンズとバーズの組合せが堪能できる。ラストはお約束のビートルズのカヴァー。前作は「Misery」でしたが今回もビートルズ1stに潜む名ギターポップ#14「There's A Place」演っています。聴いているだけでニンマリしてしまいます。そう、彼等の音楽はニンマリしてしまうってのが1番合う表現かもしれませんね。 ペズバンド2nd(1978年)。パワーポップって甘いメロディだけじゃなくて軽快にハネたビートが必要!って人にはうってつけのアルバム。1stが少し物足りなかったって人はココで一気に発散だ。中期ザ・フーのようなポップロック#1「Love Goes Underground」で幕開け。流暢なドラミングに乗って聴こえる音は相変わらずメロディアス。モッズ・リバイバルなこの曲で掴みはok!続く#2「I'm Leavin'」のパワーポップ#も勢いを殺さずに攻めの#。コレも◎で1stみたいな甘いアレンジに出来そうだけどバックは激しくやんちゃ度高めです。そしてそして彼等を代表するパワーポップ#3「Stop! Wait A Minute」。リズム/メロディ/ハーモニーの3要素のさじ加減が完璧だね!大好きな曲だ。サイケがかったイントロ#4「Come On Madeline」はお得意?のラズ・サウンドを受けた#。やっぱパワーポップバンドに「カモン!」の響きは似合うなあ。ここまでの曲はイントロ、アウトロに特徴を感じたりギターソロあったりでしたが#5「I'm The One」はいたってシンプルな正統派パワーポップ#。軽快さはそのままですけど。さらに疾走感を増す#6「Better Way To Win」。リズム&ビートだけで押し切るにはパンキッシュさが足りず結局素が出てしまう・・それはスポンジトーンズに似てる。後半にかけてかなりスリリングなピアノやギターアレンジが聴けます。#7「On And On」。これも好きな曲。ちょっとスクイーズぽくて起伏はそれほど無いのだけど耳に残る。聴く度にどんどん好きになった。ホーンセッションを従えたロックンロール#8「Lovesmith」はストーンズにも通じる。この辺を聞くとパワーポップバンドと紹介するのも気がひけるな。ザ・フー「Pinball Wizard」にインスパイアされたような#9「Black Magic」。メロディ展開は完全にUK寄り。ちょと90s以降だとスペースとか思い出すようなヒネた感じもみられる。#10「Gimme Gimme」はパワーポップ調な出始めとは裏腹にvo.は軽めのドン・ブリューワーとでも言いたくなるようなドス声が聴こえてきた。で、サビのバブルガムさ・・妙なマッチングです。でも悪くない。そして本編ラスト#11「Crash And Burn」はH/R並みのリフで突き進むパワフルな#。1stの曲にもっとも遠いところにあると言ってよいですね。ここから6曲のライブ音源。コレがまたとても良いのです!まずヤン・ハマー(ジェフ・ベック)で有名なギターインスト#12「Blue Wind」でスタート。〜そしてヤードバーズのガレージロック#13「Stroll On」へ。〜さらにさらにヤードバーズ#14「I'm Not Talking」へとメドレーで突き進む。躍動感溢れる演奏に痺れる。#15「I'm Leaving」のライブもここまでのカヴァーの感じそのままにプロフェッショナルな出来栄えだ。#16「Crash And Burn」のライブもさらにスピーディーかつハードにこなしてます。ギターがギャンギャンと炸裂してますな。次は1stでラストを飾った佳曲#17「Close Your Eyes」を演ってくれます。これまたライブ仕様に加速させてヒリヒリしたロック#にタテノリ必至だね。以上11曲+6曲。ここで分かった事は彼等は生粋のライブバンドだった!と言う事です。